冬が本番、ツバキの起源。

ツバキは他の植物の花が少なくなる冬から春にかけて大きな花を咲かせることから、日本では昔から観賞価値の高い植物として盛んに品種改良がされてきました。

その大本となっているのはヤブツバキ(Camellia japonica L.)とユキツバキ(Camellia rusticana)の二種類で、どちらも日本に自生している野生のツバキです。

ヤブツバキは日本全国の各地に分布し、北は青森県から南は沖縄県、更に国をまたいで台湾の北部まで生育しています。日陰を好む常緑樹で、冬の花の代表格。赤い花弁に黄色の雄蕊が特徴的です。

一方ユキツバキというのは我々にはあまりなじみがない響きであると思われますが、この種は北陸地方から東北地方の日本海側、それも山間部に生育している植物です。豪雪地帯に適応した姿をしており、通常では成長すると固く太い幹を形成するのがヤブツバキですが、ユキツバキは細くしなやかな枝をしており、多くは株立ちの状態で生育しています。

これらのツバキの見分け方は、花の雄蕊に注目します。ヤブツバキの雄蕊は根元が白色でくっついており、先端の葯だけが黄色くなっています。一方ユキツバキは雄蕊が一本一本独立しており、根元まで黄色いのが特徴です。これらの特徴は園芸品種群にもちゃんと残っているため、花に注目してみると、例外はありますが、どういった系統の品種であるかまで推測できてしまいます。

園芸品種としてのツバキには、ツバキとサザンカの交雑品種群のハルサザンカというものもあります。これは、ツバキとサザンカの性質両方を併せ持ち、分かりやすいところでいえば、花の散り方に表れています。ツバキの花は首からボトリと落ち、サザンカはハラハラと散ることを御存じの方もいらっしゃると思いますが、その差は花弁どうしが付け根の部分で癒着しているかどうかによって生じています。では、ハルサザンカはどうかというと、「半分だけくっついている」と、ややこしい性質を持っています。ちなみに、一般的に園芸店で生垣用にサザンカの赤色で八重の品種を取り扱っている場合、多くは「立寒椿」という品種を販売しており、且つこの品種はハルサザンカなのです。豆知識ですね。

 

さて、サザンカ類は12月までで概ね見ごろを終えてしまうのですが、ツバキやハルサザンカはこれからが見ごろとなっていきます。現在、鶴舞公園で咲いている品種ですが、「赤藪椿」「白侘助」「初雁」「白玉椿」「乙女椿」「寒椿(立寒椿)」となっております。園内で散り散りに咲いておりますので、園内の散策と合わせて探していただけると幸いです。

 

ヤブツバキ ヤブツバキ

ユキツバキ ユキツバキ

白侘助 白侘助

初雁 初雁

白玉椿 白玉椿

乙女椿 乙女椿

寒椿(立寒椿) 寒椿(立寒椿)