月別アーカイブ: 2017年 3月

桜の不思議。ソメイヨシノは実をつけないの?

古来より多くの日本人が愛してやまない花と言えば「サクラ」です。そして数百種とも1,000種とも言われる数多くの品種が存在する花木です。
日本でもっとも有名な桜の名所と言えば、奈良県の吉野山でしょう。「千本桜」や「一目千本」といった表現をされるほどの名所ですが、野生種であるヤマザクラが主となります。吉野山を覆うほど咲いているサクラが霞んで見えるのは、ヤマザクラの特徴である花と若葉が同時に開く為です。

私たちの生活の中で、最も親しみのあるサクラと言えばソメイヨシノが代表と言えます。ソメイヨシノは、江戸時代に野生種であるエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配によって生まれたサクラと言われています。

ではなぜソメイヨシノは実をつけないか?これはソメイヨシノ同士限定の場合となります。
ソメイヨシノは、その特性や性質を保持する為に「接ぎ木」や「挿し木」でのみ増やします。従ってソメイヨシノは、全て同じ遺伝子を持つクローン植物なのです。
もしソメイヨシノの繁殖が人の手から離れてしまった場合、同種同士の受粉は出来ませんのでソメイヨシノと言う品種は絶えてしまう運命なのです。人間の手を借りなければ存在出来ないサクラと言えます。
しかし、別種のサクラが周辺に存在し、虫などに花粉を運ばれ、ソメイヨシノが受粉出来れば結実します。

荒子川公園には、約1,000本のサクラが植栽されており、主となるソメイヨシノの他に、オオシマザクラやコシノヒガン、シダレザクラ、ヤエシダレザクラ、カンザン、フゲンゾウ(サトザクラの最古種:室町時代)、シナミザクラなど11種のサクラを確認出来ます。11種以外にも他のサクラに良く似た、少し特徴の違う個体などもあります。お花見の際に注意深く見ると面白い発見があるかもしれません。

人間の力を借りなければ種の存続が出来ないソメイヨシノですが、昨年も荒子川公園内のソメイヨシノは結実している樹木もありました。その実が、鳥たちにどこかへ運ばれ根付いた時、ソメイヨシノではなくても美しいサクラの花がいつか開花するかもしれませんよ。

荒子川公園ガーデンプラザ
☆3月25日(土)~4月5日(水)さくらまつり開催☆

 

ソメイヨシノ ソメイヨシノ

オオシマザクラ オオシマザクラ

サトザクラ「フゲンゾウ」 サトザクラ「フゲンゾウ」

荒子川公園は南北に1.5km 荒子川公園は南北に1.5km

荒子川緑道沿いには桜並木が。 荒子川緑道沿いには桜並木が。

さくら展望(4月1日雨天順延4月2日) さくら展望(4月1日雨天順延4月2日)

サトザクラ「カンザン」 サトザクラ「カンザン」

素敵な花壇づくり~花ネット特別講演会より~

花を愛し、花と緑のまちづくり活動に取り組む市民団体等による緩やかなネットワークとして、平成27年度に立ち上げた「なごや花のまちづくりネットワーク(通称:花ネット)」。様々な活動を通じて、花と緑に包まれた美しいまち名古屋の実現を目指すなか、去る2月22日(水)に第2回総会と共に特別講演会を開催しました。

講師に愛知県豊田市にあるガーデンミュージアム花遊庭のヘッドガーデナーとして活躍されている天野麻里絵さんにお越しいただき、「素敵な花壇づくり」と題し、花壇のデザインについてお話して頂きました。今回は、この講演会の内容を少しだけご紹介します。

天野さんは、「花壇づくりに大切なことは、見てもらうことと維持することの両立、そして四季を通して楽しめる花壇をつくること。」と話されました。そして、植物を上手に組み合わせるため、花や茎葉の形や大きさ、草姿から植物の役割を「主役」、「まとめ役」、「カラーリーフ」、「グラウンドカバー」の4つに分け配置する手法をご紹介いただきました。

【主役】

〇一番に目に入る、ガーデンの見せ場(フォーカルポイント)をつくる。

〇華やかな空間をつくって印象的なシーンをつくる。

★1 ひとつの花が大きく目立つもの

★2 小花でも花数が多かったり、房となってボリューム感のあるもの

★3 草姿にボリュームがあり目を引くもの

 

【まとめ役】

主役の花を引き立てる

様々な植物同士をつなげて、全体を調和させる

★1 よく枝分かれしてたくさんの花を咲かせるもの

★2 こんもりとまとまり、小花をさかせるもの

★3 花も葉も美しく、見どころが多いもの

 

【カラーリーフ】

〇背景となって花を引き立てる

〇さし色やアクセントカラーとしてコントラストが増し、より華やかになる

★1 葉の彩りが美しいもの(シルバー、ブロンズ、ライム、斑入り)

★2 葉の形が特徴的なもの

★3 温度や気候によって葉の彩りが変化するもの

 

【グラウンドカバー】

〇草花を美しく引き立てる

〇シーズンを通して周りの草花をカバーする

★1 常緑で植えたままにできる、丈夫で真夏や真冬に耐えられる

★2 踏圧に耐えられる

★3 茎葉が細かく、地面をびっしりと覆う


いかがでしょうか。これからの花壇づくりに大いに参考になったのではないでしょうか。他にも、「どんな花壇にしたいのかはっきりさせ、その利用目的、環境条件、手間や費用を考え、長い時間かけてじっくりと楽しめるようなプランを立てておくことが大事だ。」とお話しされました。

最後に天野さんは、「ちょっとした工夫で庭や花壇は変わる。全部一緒ではなく、少し違いがあると面白い。」、「これから迎える春は花のシーズン。一日で花も色や形が変わっていく。ぜひ見逃さずに見てもらいたい。」という言葉で締めくくられました。

今回の講演会をきっかけに、また多くの方々に楽しく花壇づくりをしてもらえればと思います。「なごや花のまちづくりネットワーク」では今後もガーデンや緑地の見学会、種まき交流会、ニュースレターの発行等、様々な活動を通じて花と緑に包まれた美しいまち名古屋の実現を目指してまいります。

天野麻里絵さん 天野麻里絵さん

講演会の様子 講演会の様子